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越冬救援キャンプを襲撃し、重傷の生活困窮者を厳寒の路上に叩き出した「福祉のまち」シブヤの野蛮行政

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歳末越冬救援キャンプを襲撃し、重傷の生活困窮者を厳寒の路上に叩き出した「福祉のまち」シブヤの野蛮行政/MyNewsJapanから
三宅勝久
17:03 01/16 2014
http://www.mynewsjapan.com/reports/1968

昨年末の12月29日深夜、渋谷区(桑原敏武区長)で、先進国の名を返上するような事件が起きた。
同区宮下公園に支援ボランティアが開設した生活困窮者向けの救援キャンプに対し、土木清掃部職員(黒柳貴史部長)や渋谷警察署員多数が襲いかかり、たたき出したのだ。
キャンプには頭蓋骨にひびが入る大けがを負った高齢の重傷者もいたが、黒柳部長率いる職員や警官隊は、「公園の管理権」と「警戒警備」を口実に問答無用で実力を行使し、毛布などの荷物も満足に取らせないまま厳寒の路上に放置した。
人の命をなんと思っているのか――江戸時代の悪徳高利貸しも顔負けの非人道的な野蛮行政に非難の声が高まっている。

【Digest】
◇大マスコミが黙殺した救援キャンプ「襲撃」
◇別の公園に「避難」した避難キャンプ
◇寝込みを襲った警官隊
◇行政がサボっているから救援活動しているのに
◇「強制排除」ではありません
◇「警察が実力を使ったこともない」

◇大マスコミが黙殺した救援キャンプ「襲撃」
 昨年12月29日深夜10時半。渋谷区の宮下公園に開設されていた経済困窮者向けの救援キャンプに渋谷区職員と警官隊多数が襲い掛かり、支援者とともに避難者を寒空にたたき出した――この話を筆者が聞いたのは30日午後。新聞・テレビではなく口コミだった。ツイッターやブログ、インターネット中継で話題になっていると知人が教えてくれたのだ。
 VJU(ビデオジャーナリストユニオン)の撮影した動画がネット上に公開されていた。――深夜の公園で数十人の炊き出しボランティアや支援者と警官隊・職員が激しくもみあっている。「人殺し」「暴力反対」。怒号と悲鳴。とうとう警官隊はボランティアたちを公園の外に押し出し、周りを囲んだフェンスの門を力づくで閉じ、かぎをかける。

 大事件だ――映像を見て筆者は思った。「助け合い」の声が街角で聞かれる年の瀬に、路上生活者を救援しようとボランティアが設置した救援キャンプを暴力的にぶち壊す。しかも厳寒の深夜である。前代未聞の暴挙ではないか。

似た光景を見たことがあった。20年前、北半球の最貧国といわれていた中米ニカラグアでのことである。
 1993年、筆者はニカラグアを取材で訪れた。当時の同国は親米政権下にあった。社会主義国の支援を受けたサンディニスタ革命政権のオルテガ大統領が1990年の選挙で敗北、代わりに、親米チャモロ大統領が誕生した。貧困と内戦からの「変化」を望んだ国民の選択だった。結果、内戦は終わった。しかし貧困は相変わらずで格差が広がりつつあった。

 このような庶民の窮状を首都マナグア市で取材していた筆者は、ある朝、現地新聞の一面記事と写真に目を奪われた。ダンボールや廃材、トタンで作った貧民街の家々を警官隊が壊している様子が衝撃的なトーンで伝えられていた。

 現場に行くと、板切れやダンボール紙が散乱するなか、追い出された住民たちが鍋や食器などを拾い集めていた。地主の要請を受けて警官隊が追い払ったということだった。いったいどこに住めというのか、チャモロはやることがひどすぎる――悄然とした表情で住民たちは口々に嘆いた。

 貧者の拠り所を力で壊したという点で、宮下公園の事件はニカラグアと一緒だ。だが決定的な違いがあった。ニカラグアでは現地の新聞が大きく報道した。マナグアで知らない者はまずいなかっただろう。一方、宮下公園の事件は大マスコミが無視を決めこんだ.....

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