発がんコーラ問題で対策進む米国、日本はペプシ&キリン「対策しない」 コカコーラ「検討中」
植田武智 04:00 08/22 2013
http://www.mynewsjapan.com/reports/1872
コーラのカラメル色素に発がん物質『4-メチルイミダゾール』が含まれている問題で、人口が米国内1位で化学物質の規制が厳しいカリフォルニア州を中心に、全米で発がん物質の低減対策が完了に向かっている。
アメリカの環境団体の調査によれば、コカ・コーラとペプシの間で対策のスピードに差はあるが、遅れ気味なペプシコ社も「2014年2月までに全米で対策を終わらせ、海外についても低減する」旨を発表した。
だが、日本でペプシを製造販売するサントリーは「変更の有無や時期については一切聞いておりません」と日本人の健康は後回し。キリンメッツコーラも取材に対し、発がん物質を減らす予定はない、と答えた。
日本コカ・コーラ社のみ「日本でも対策を検討中」。
こうした企業姿勢から、あえて飲まざるを得ない場合も、トクホの2製品(メッツとペプシ)は避けたほうがよさそうだ。
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【Digest】
◇米環境団体が全米のコーラを抜き打ち検査
◇コカ・コーラは9割方低減、ペプシは1割止まり
◇ペプシコーラはあわてて、来年2月までに対応すると発表
◇日本の対応?ペプシコーラ、キリンメッツコーラは対策予定なし
◇日本の対応?日本コカ・コーラは対策協議中
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◇米環境団体が全米のコーラを抜き打ち検査
コーラに使われるカラメル色素に含まれる発がん物質の低減対策で、大手のコカ・コーラとペプシコーラで大きな差ができていることが分かった。
問題の物質は、一部のカラメル色素の製造時に発生する4-メチルイミダゾール(4−MI)という化学物質だ。
アメリカの中で、特に化学物質規制が厳しいカリフォルニア州で、2011年1月に州の発がん物質リストに追加された。
その後、同年10月には基準値として29マイクログラム(体重70?の平均的な大人の1日の摂取許容量)が定められた。
基準値以上の4-MIを含む飲食物には「発がん物質が含まれています」という警告表示を付けなければならなくなった。
2012年3月には、アメリカの消費者問題NPOの公益科学センター(CSPI)が、首都ワシントンDCのコカ・コーラ、ペプシコーラなどを分析し、カリフォルニア州の基準の5倍の4-MEIが含まれていることを公表した。
その直後に、コカ・コーラ社とペプシコーラのペプシコ社は、カリフォルニア州で販売するコーラだけでなく全米のコーラについて、原料のカラメル色素の製造工程を変更して4-MIの低減に着手する、と発表した。
この件については、日本のコーラにも同じ発がん物質が含まれていることがわかっており、特に『キリンメッツコーラ』や『ペプシスペシャル』など特定保健用食品(トクホ)として許可されたコーラにも、カリフォルニア州基準値を超える料が含まれている、ということを以前記事にしている。
■キリンメッツコーラは発がん物質入り 「発ガンコーラ」はトクホにふさわしくない
■メッツ“発ガン”コーラ、日本では甘い基準で野放し 発がん物質許容量は評価機関により200倍もの差
■サントリーペプシも発がんトクホコーラに 米ペプシコは製法改善も、利害関係者名すら伏字で密室許可
今回の記事では、その後のアメリカでの対策の進展状況と、日本の消費者向けの対策状況を報告したい。
アメリカのコーラ大手2社が低減対策を表明して1年以上が経過した2013年5〜6月にかけて、カリフォルニア州に拠点をもつ環境団体・環境健康センター(CEH)が、カリフォルニア州を含む11州で売られているコカ・コーラ(ダイエットコークを含む)とペプシコーラ(ダイエットペプシを含む)を購入して、含まれる発がん物質『4−MI』の量を調べて、7月3日にプレスリリースを出した。
◇コカ・コーラは9割方低減、ペプシは1割低減止まり
その結果をまとめたものが、左図である。コカ・コーラとペプシコーラの間では、発がん物質の量について一目で違いがあることがわかる。
コカ・コーラが12本中11本と、ほぼすべてについてカリフォルニア州の基準値以下に低減済みなのに対し、ペプシコーラは、逆に基準値を下回っているのは12本中1本だけだった。
詳細な検査結果を製品別に、表にまとめたものが右図である。
警告表示は、カリフォルニア州内で販売するコーラに対してのみ、義務化されている。そのためか、ペプシ・コーラも、カリフォルニア州内の商品に対してだけは対策をとっていた。
しかし、表示義務のないカリフォルニア州以外の10州では対策が遅れ、いまだに以前の製法のままのカラメル色素を使っていることがわかった。
それらのペプシコーラには、依然として、カリフォルニア州の基準値の4〜8倍の発がん物質が含まれている、ということが判明したのである。
◇ペプシコーラはあわてて、来年2月まで期限を発表
CEHの発表を受けて、あわてたペプシコ社は、翌5日に声明を出し、「当社のカラメル色素供給会社は、すでに4−MIの低減に着手しており、カリフォルニア州以外のものについても、(米国内で)2014年2月までに対応を完了する予定だ」と発表した。
ただペプシコ社は、現状の4−MIを含むコーラが危険だということを認めたわけではない。安全性の観点から対策をとったのではなく、商品の供給管理の観点からカリフォルニア州の基準に合わせて、全米の商品を合わせた、という点を強調した。
また意外なことことに、遅れをとったイメージを回復したいためか、ペプシコ社は、アメリカ国内だけにとどまらず、海外のペプシコーラについても、期限は明示していないものの、同様に4-MIを低減する、と発表している。
◇日本の対応?ペプシコーラ、キリンメッツコーラは対策予定なし
それでは日本のペプシコーラについても、すでに低減対策の準備に入っているのではないかと期待し、日本のペプシコーラの製造販売を行っているサントリーに尋ねた。
対応してくれたのはサントリーお客様センター、鈴木さんだ
.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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コーラのカラメル色素に発がん物質『4-メチルイミダゾール』が含まれている問題で、人口が米国内1位で化学物質の規制が厳しいカリフォルニア州を中心に、全米で発がん物質の低減対策が完了に向かっている。
アメリカの環境団体の調査によれば、コカ・コーラとペプシの間で対策のスピードに差はあるが、遅れ気味なペプシコ社も「2014年2月までに全米で対策を終わらせ、海外についても低減する」旨を発表した。
だが、日本でペプシを製造販売するサントリーは「変更の有無や時期については一切聞いておりません」と日本人の健康は後回し。キリンメッツコーラも取材に対し、発がん物質を減らす予定はない、と答えた。
日本コカ・コーラ社のみ「日本でも対策を検討中」。
こうした企業姿勢から、あえて飲まざるを得ない場合も、トクホの2製品(メッツとペプシ)は避けたほうがよさそうだ。
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【Digest】
◇米環境団体が全米のコーラを抜き打ち検査
◇コカ・コーラは9割方低減、ペプシは1割止まり
◇ペプシコーラはあわてて、来年2月までに対応すると発表
◇日本の対応?ペプシコーラ、キリンメッツコーラは対策予定なし
◇日本の対応?日本コカ・コーラは対策協議中
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◇米環境団体が全米のコーラを抜き打ち検査
コーラに使われるカラメル色素に含まれる発がん物質の低減対策で、大手のコカ・コーラとペプシコーラで大きな差ができていることが分かった。
問題の物質は、一部のカラメル色素の製造時に発生する4-メチルイミダゾール(4−MI)という化学物質だ。
アメリカの中で、特に化学物質規制が厳しいカリフォルニア州で、2011年1月に州の発がん物質リストに追加された。
その後、同年10月には基準値として29マイクログラム(体重70?の平均的な大人の1日の摂取許容量)が定められた。
基準値以上の4-MIを含む飲食物には「発がん物質が含まれています」という警告表示を付けなければならなくなった。
2012年3月には、アメリカの消費者問題NPOの公益科学センター(CSPI)が、首都ワシントンDCのコカ・コーラ、ペプシコーラなどを分析し、カリフォルニア州の基準の5倍の4-MEIが含まれていることを公表した。
その直後に、コカ・コーラ社とペプシコーラのペプシコ社は、カリフォルニア州で販売するコーラだけでなく全米のコーラについて、原料のカラメル色素の製造工程を変更して4-MIの低減に着手する、と発表した。
この件については、日本のコーラにも同じ発がん物質が含まれていることがわかっており、特に『キリンメッツコーラ』や『ペプシスペシャル』など特定保健用食品(トクホ)として許可されたコーラにも、カリフォルニア州基準値を超える料が含まれている、ということを以前記事にしている。
■キリンメッツコーラは発がん物質入り 「発ガンコーラ」はトクホにふさわしくない
■メッツ“発ガン”コーラ、日本では甘い基準で野放し 発がん物質許容量は評価機関により200倍もの差
■サントリーペプシも発がんトクホコーラに 米ペプシコは製法改善も、利害関係者名すら伏字で密室許可
今回の記事では、その後のアメリカでの対策の進展状況と、日本の消費者向けの対策状況を報告したい。
アメリカのコーラ大手2社が低減対策を表明して1年以上が経過した2013年5〜6月にかけて、カリフォルニア州に拠点をもつ環境団体・環境健康センター(CEH)が、カリフォルニア州を含む11州で売られているコカ・コーラ(ダイエットコークを含む)とペプシコーラ(ダイエットペプシを含む)を購入して、含まれる発がん物質『4−MI』の量を調べて、7月3日にプレスリリースを出した。
◇コカ・コーラは9割方低減、ペプシは1割低減止まり
その結果をまとめたものが、左図である。コカ・コーラとペプシコーラの間では、発がん物質の量について一目で違いがあることがわかる。
コカ・コーラが12本中11本と、ほぼすべてについてカリフォルニア州の基準値以下に低減済みなのに対し、ペプシコーラは、逆に基準値を下回っているのは12本中1本だけだった。
詳細な検査結果を製品別に、表にまとめたものが右図である。
警告表示は、カリフォルニア州内で販売するコーラに対してのみ、義務化されている。そのためか、ペプシ・コーラも、カリフォルニア州内の商品に対してだけは対策をとっていた。
しかし、表示義務のないカリフォルニア州以外の10州では対策が遅れ、いまだに以前の製法のままのカラメル色素を使っていることがわかった。
それらのペプシコーラには、依然として、カリフォルニア州の基準値の4〜8倍の発がん物質が含まれている、ということが判明したのである。
◇ペプシコーラはあわてて、来年2月まで期限を発表
CEHの発表を受けて、あわてたペプシコ社は、翌5日に声明を出し、「当社のカラメル色素供給会社は、すでに4−MIの低減に着手しており、カリフォルニア州以外のものについても、(米国内で)2014年2月までに対応を完了する予定だ」と発表した。
ただペプシコ社は、現状の4−MIを含むコーラが危険だということを認めたわけではない。安全性の観点から対策をとったのではなく、商品の供給管理の観点からカリフォルニア州の基準に合わせて、全米の商品を合わせた、という点を強調した。
また意外なことことに、遅れをとったイメージを回復したいためか、ペプシコ社は、アメリカ国内だけにとどまらず、海外のペプシコーラについても、期限は明示していないものの、同様に4-MIを低減する、と発表している。
◇日本の対応?ペプシコーラ、キリンメッツコーラは対策予定なし
それでは日本のペプシコーラについても、すでに低減対策の準備に入っているのではないかと期待し、日本のペプシコーラの製造販売を行っているサントリーに尋ねた。
対応してくれたのはサントリーお客様センター、鈴木さんだ
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