日本コカ・コーラ「トクホウ」ジンジャーエール問題からわかった「トクホもどき作り放題」の実態
植田武智 18:54 05/18 2013
http://www.mynewsjapan.com/reports/1830
日本コカ・コーラ社が4月下旬に発売した、トクホ系コーラを揶揄するような“トクホもどき”のジンジャーエール。
そのCMでの「トクホウ」という表現は、ジョークのセンスとしてはともかく、トクホと誤解させるとして消費者庁が5月15日行政指導を行ったと報道された。
ところが取材の結果わかったのは「行政指導ではなく、あくまで改善のお願い」(消費者庁)。
CMは中止されたが、トクホの有効成分を勝手に入れて「ウェイトサポート飲料」と、効能があるかのようなキャッチコピーで販売することは容認された。
これが許されると、何億円もの費用をかけてトクホを申請することがバカらしくなり、トクホ制度が機能しなくなるおそれがある。
消費者庁は何のために創設されたのか。「トクホもどき」放置の裏側を報告する。
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【Digest】
◇「トクホウ」連呼でトクホと誤認させるジンジャーエール
◇行政指導報道前にCMが終了していたのはなぜか?
◇消費者庁は改善をお願いしかできないのか
◇広告を規制から外している食品衛生法規則
◇健康増進法違反は一度も実施されていない
◇トクホもどき商品作り放題
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◇「トクホウ」連呼でトクホと誤認させるジンジャーエール
ゴールデンウイーク直前のころ、テレビのCMを見て驚いた。『メッツコーラ』や『ペプシスペシャル』といったトクホ(特定保健用食品)系コーラをからかうようなCMを日本コカ・コーラ社が始めたからだ。
CANADA DRY FIVER 8000 CM
「カナダドライ ジンジャーエール FIBER8000」という商品で、CMでは「トクホウ、トクホウ」と連呼して、明らかにトクホを意識したCMである。
脂肪の吸収を抑える効果があるとされるトクホ系コーラの有効成分である難消化性デキストリンを、1.6倍(トクホでは1本5gのところを8g)入れている。しかし「特定保健用食品(トクホ)ではありません」という但し書きがついているので、消費者にトクホと誤認させようという意図はない、という言い訳はできる。
トクホと誤認させるというよりも、トクホをからかっているようなCMだな、という印象を受ける。
消費者庁がどう対応するのかと思っていたら、結局5月15日に「トクホウ」というCMでの表現が「トクホ」と誤認させる、ということを理由に、CMの改善を行政指導したというNHKニュースが流れた。
報道によれば日本コカ・コーラ社はすでに5月7日にはCMを終了していたというが、商品はそのまま今でも販売され続けている。消費者庁と日本コカ・コーラ社の間では、どのようなやり取りがあったのか?
◇行政指導報道前にCMが終了していたのはなぜか?
時系列をさかのぼるが、実はこの件については週刊ダイヤモンドが5月7日の記事の中で、日本コカ・コーラ社が「宣伝方法については事前に消費者庁に相談して確認を取っている」とコメントしていた。本当に事前に消費者庁がCMを許可していたのならば、責任を問われるのは消費者庁ということになる。
そこで著者は、5月9日に消費者庁に事実確認を行なった。結論から言えば、NHKも週刊ダイヤモンドも誤報であることが分かった。
対応してくれたのは食品表示課のマツバラさんという方だ。
--週刊ダイヤモンドの記事に書いてあるように事前に日本コカ・コーラ社から相談があったんですか?
マツバラさん「今その記事を初めて見て驚いているんですが、日本コカ・コーラ社からは、そういった問い合わせは受けておりません」
--日本コカ・コーラ社がウソをついているということですね。
「それは日本コカ・コーラ社の方へ問い合わせてください」
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日本コカ・コーラ社が4月下旬に発売した、トクホ系コーラを揶揄するような“トクホもどき”のジンジャーエール。
そのCMでの「トクホウ」という表現は、ジョークのセンスとしてはともかく、トクホと誤解させるとして消費者庁が5月15日行政指導を行ったと報道された。
ところが取材の結果わかったのは「行政指導ではなく、あくまで改善のお願い」(消費者庁)。
CMは中止されたが、トクホの有効成分を勝手に入れて「ウェイトサポート飲料」と、効能があるかのようなキャッチコピーで販売することは容認された。
これが許されると、何億円もの費用をかけてトクホを申請することがバカらしくなり、トクホ制度が機能しなくなるおそれがある。
消費者庁は何のために創設されたのか。「トクホもどき」放置の裏側を報告する。
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【Digest】
◇「トクホウ」連呼でトクホと誤認させるジンジャーエール
◇行政指導報道前にCMが終了していたのはなぜか?
◇消費者庁は改善をお願いしかできないのか
◇広告を規制から外している食品衛生法規則
◇健康増進法違反は一度も実施されていない
◇トクホもどき商品作り放題
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◇「トクホウ」連呼でトクホと誤認させるジンジャーエール
ゴールデンウイーク直前のころ、テレビのCMを見て驚いた。『メッツコーラ』や『ペプシスペシャル』といったトクホ(特定保健用食品)系コーラをからかうようなCMを日本コカ・コーラ社が始めたからだ。
CANADA DRY FIVER 8000 CM
「カナダドライ ジンジャーエール FIBER8000」という商品で、CMでは「トクホウ、トクホウ」と連呼して、明らかにトクホを意識したCMである。
脂肪の吸収を抑える効果があるとされるトクホ系コーラの有効成分である難消化性デキストリンを、1.6倍(トクホでは1本5gのところを8g)入れている。しかし「特定保健用食品(トクホ)ではありません」という但し書きがついているので、消費者にトクホと誤認させようという意図はない、という言い訳はできる。
トクホと誤認させるというよりも、トクホをからかっているようなCMだな、という印象を受ける。
消費者庁がどう対応するのかと思っていたら、結局5月15日に「トクホウ」というCMでの表現が「トクホ」と誤認させる、ということを理由に、CMの改善を行政指導したというNHKニュースが流れた。
報道によれば日本コカ・コーラ社はすでに5月7日にはCMを終了していたというが、商品はそのまま今でも販売され続けている。消費者庁と日本コカ・コーラ社の間では、どのようなやり取りがあったのか?
◇行政指導報道前にCMが終了していたのはなぜか?
時系列をさかのぼるが、実はこの件については週刊ダイヤモンドが5月7日の記事の中で、日本コカ・コーラ社が「宣伝方法については事前に消費者庁に相談して確認を取っている」とコメントしていた。本当に事前に消費者庁がCMを許可していたのならば、責任を問われるのは消費者庁ということになる。
そこで著者は、5月9日に消費者庁に事実確認を行なった。結論から言えば、NHKも週刊ダイヤモンドも誤報であることが分かった。
対応してくれたのは食品表示課のマツバラさんという方だ。
--週刊ダイヤモンドの記事に書いてあるように事前に日本コカ・コーラ社から相談があったんですか?
マツバラさん「今その記事を初めて見て驚いているんですが、日本コカ・コーラ社からは、そういった問い合わせは受けておりません」
--日本コカ・コーラ社がウソをついているということですね。
「それは日本コカ・コーラ社の方へ問い合わせてください」
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