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2013/04/17 天皇を政治利用する安倍総理は「首相失格」。高橋哲哉氏、「主権回復の日」式典を批判
―院内集会「4.28主権回復の日」を問う 〜繰り返される「沖縄切り捨て政策」〜
「サンフランシスコ講和条約が結ばれた4月28日は、沖縄県民にとって屈辱の日である」。
哲学者の高橋哲哉氏は、4月17日(水)午後、東京都千代田区の参議院議員会館で行なわれた、院内集会「『4.28主権回復の日』を問う 〜繰り返される『沖縄切り捨て政策』〜」で、このように述べた。
4月28日に政府が開催する「主権回復の日」の式典には、天皇皇后両陛下が招かれていることから、高橋氏は「国会議員や全国の都道府県知事にとって、式典への出欠席が踏み絵になる」とし、「憲法で禁じられている、天皇の政治利用である」と批判した。
■基調講演 高橋哲哉氏(哲学者、東京大学大学院教授)
■主催 ピースボート、沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック、反安保実行委員会、ピース・ニュース、日韓民衆連帯全国ネットワーク、フォーラム平和・人権・環境
日本政府は3月12日、サンフランシスコ講和条約(1952年)が発効した日である4月28日を「主権回復の日」とし、政府主催で式典を開催することを閣議決定した。同条約によって日本は主権を回復した一方、沖縄などは米軍の統治下に置かれた。このことから、沖縄では4月28日を「日本に切り捨てられた日」「屈辱の日」と認識している人も少なくない。
この日の集会で基調講演を行った高橋氏は、冒頭、「政府式典に心から憤りを持つ者として話す」と、会場に語りかけた。「オスプレイの強制配備や、辺野古への基地移設問題で、沖縄県民の怒りはかつてないほど高まっている。にもかかわらず、政府は追い打ちをかけるように『主権回復の日』式典の開催を決定した。これは、沖縄県の人々へのいじめではないか」と述べ、「安倍首相は、沖縄にとって『屈辱の日』であるということを知らないのか。知らないのであれば首相として、どうか。もし、知っていて式典を行なうのであれば、無知である以上に深刻な『首相失格』にあたる」と、安倍政権を強く批判した。
また、この式典には天皇皇后両陛下も出席する予定になっている。これについて高橋氏は、憲法の禁止する「天皇の政治利用」にあたると指摘した。仲井真弘多沖縄県知事が式典について、「まったく理解不能である」とコメントしているように、式典に異を唱える国会議員や政治家はいる。そうした中で天皇が出席するとなれば、「欠席できない」というプレッシャーが働く。高橋氏は「まるで、踏み絵である。国論が分かれる問題に天皇を持ち出し、政治的な狙いを実現しようとすることは、憲法違反そのものである」との見解を示した。
さらに高橋氏は、歴史認識問題について言及した。1947年9月、昭和天皇は、宮内庁御用掛の寺崎英成氏を通じて、GHQのシーボルト氏に、次のようなメッセージを送っている。「米国による琉球諸島の軍事占領の継続を望む」「米国による琉球諸島の軍事占領は、日本の主権を残したままで長期租借によるべき」。高橋氏は、この天皇のメッセージについて、「おそるべき意味を持つ」と述べ、「その後の戦後史は、実際にそのように展開した。サンフランシスコ講和条約3条で、沖縄の施政権が米国に移された。天皇のメッセージを忠実に実現するかのように」と語った。高橋氏は「このような歴史的経緯から、沖縄問題と天皇の責任は、指摘せざるをえない。近代史に重要な責任を有する天皇が、このような式典に参加するのがふさわしいのか、疑問に思う」とし、「主権回復の日」式典の開催は、根本的に誤りであると話した。
集会に参加した、沖縄選出の山内徳信参議院議員(社民党)は「サンフランシスコ講和条約が結ばれた日を、今でも鮮明に覚えている」と、当時を振り返り、「鉄の暴風(第二次世界大戦末期に、米軍から無差別に大量の砲弾が撃ち込まれたこと)に襲われた沖縄は、なぜ切り捨てられるのか、わからなかった。本土防衛の捨石にされ、われわれは地獄の中をやっとの思いで生き延びた」と語った。続けて「今、高江ヘリパッド建設や普天間基地の辺野古移設に、人々が必死に抵抗している。沖縄中南部の人は、戦争中に高江やんばるの山に逃げて生き残った。命を救った山だ。敗戦後、食料がなくなった時には、辺野古の海に行けば魚介が採れて、また生き延びることができた。今、なぜそういう自然を破壊し、ジュゴンの巣を埋め建ててまで、戦争のための基地を作るのか」と憤った。「主権回復の日」式典については、「まったく、国民騙しの言葉だ。主権というならば、もっと北の固有の領土を取り戻し、関係回復をしなければならない」と語った。【IWJ・原】
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「サンフランシスコ講和条約が結ばれた4月28日は、沖縄県民にとって屈辱の日である」。
哲学者の高橋哲哉氏は、4月17日(水)午後、東京都千代田区の参議院議員会館で行なわれた、院内集会「『4.28主権回復の日』を問う 〜繰り返される『沖縄切り捨て政策』〜」で、このように述べた。
4月28日に政府が開催する「主権回復の日」の式典には、天皇皇后両陛下が招かれていることから、高橋氏は「国会議員や全国の都道府県知事にとって、式典への出欠席が踏み絵になる」とし、「憲法で禁じられている、天皇の政治利用である」と批判した。
■基調講演 高橋哲哉氏(哲学者、東京大学大学院教授)
■主催 ピースボート、沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック、反安保実行委員会、ピース・ニュース、日韓民衆連帯全国ネットワーク、フォーラム平和・人権・環境
日本政府は3月12日、サンフランシスコ講和条約(1952年)が発効した日である4月28日を「主権回復の日」とし、政府主催で式典を開催することを閣議決定した。同条約によって日本は主権を回復した一方、沖縄などは米軍の統治下に置かれた。このことから、沖縄では4月28日を「日本に切り捨てられた日」「屈辱の日」と認識している人も少なくない。
この日の集会で基調講演を行った高橋氏は、冒頭、「政府式典に心から憤りを持つ者として話す」と、会場に語りかけた。「オスプレイの強制配備や、辺野古への基地移設問題で、沖縄県民の怒りはかつてないほど高まっている。にもかかわらず、政府は追い打ちをかけるように『主権回復の日』式典の開催を決定した。これは、沖縄県の人々へのいじめではないか」と述べ、「安倍首相は、沖縄にとって『屈辱の日』であるということを知らないのか。知らないのであれば首相として、どうか。もし、知っていて式典を行なうのであれば、無知である以上に深刻な『首相失格』にあたる」と、安倍政権を強く批判した。
また、この式典には天皇皇后両陛下も出席する予定になっている。これについて高橋氏は、憲法の禁止する「天皇の政治利用」にあたると指摘した。仲井真弘多沖縄県知事が式典について、「まったく理解不能である」とコメントしているように、式典に異を唱える国会議員や政治家はいる。そうした中で天皇が出席するとなれば、「欠席できない」というプレッシャーが働く。高橋氏は「まるで、踏み絵である。国論が分かれる問題に天皇を持ち出し、政治的な狙いを実現しようとすることは、憲法違反そのものである」との見解を示した。
さらに高橋氏は、歴史認識問題について言及した。1947年9月、昭和天皇は、宮内庁御用掛の寺崎英成氏を通じて、GHQのシーボルト氏に、次のようなメッセージを送っている。「米国による琉球諸島の軍事占領の継続を望む」「米国による琉球諸島の軍事占領は、日本の主権を残したままで長期租借によるべき」。高橋氏は、この天皇のメッセージについて、「おそるべき意味を持つ」と述べ、「その後の戦後史は、実際にそのように展開した。サンフランシスコ講和条約3条で、沖縄の施政権が米国に移された。天皇のメッセージを忠実に実現するかのように」と語った。高橋氏は「このような歴史的経緯から、沖縄問題と天皇の責任は、指摘せざるをえない。近代史に重要な責任を有する天皇が、このような式典に参加するのがふさわしいのか、疑問に思う」とし、「主権回復の日」式典の開催は、根本的に誤りであると話した。
集会に参加した、沖縄選出の山内徳信参議院議員(社民党)は「サンフランシスコ講和条約が結ばれた日を、今でも鮮明に覚えている」と、当時を振り返り、「鉄の暴風(第二次世界大戦末期に、米軍から無差別に大量の砲弾が撃ち込まれたこと)に襲われた沖縄は、なぜ切り捨てられるのか、わからなかった。本土防衛の捨石にされ、われわれは地獄の中をやっとの思いで生き延びた」と語った。続けて「今、高江ヘリパッド建設や普天間基地の辺野古移設に、人々が必死に抵抗している。沖縄中南部の人は、戦争中に高江やんばるの山に逃げて生き残った。命を救った山だ。敗戦後、食料がなくなった時には、辺野古の海に行けば魚介が採れて、また生き延びることができた。今、なぜそういう自然を破壊し、ジュゴンの巣を埋め建ててまで、戦争のための基地を作るのか」と憤った。「主権回復の日」式典については、「まったく、国民騙しの言葉だ。主権というならば、もっと北の固有の領土を取り戻し、関係回復をしなければならない」と語った。【IWJ・原】
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