皆様、本日は2003年のイラク戦争から10周年になります。
国連憲章に違反して行われたイラク戦争の結果多大な人命が奪われ、人権が侵害されました。
米国・英国による国際人権・人道法に違反する人権侵害を示す証拠も報道、報告されていますが、未だにこの責任が明確に問われていません。
被害者は何の補償も受けることなく、被害を受け続けています。
HRNは、米オバマ大統領、英キャメロン首相宛戦争に伴う重大な人権侵害の検証と責任追及を求める公開書簡を送りました。
また、戦争の傷跡は罪もない子どもたちを苦しめ、戦争で使用された有害兵器の影響で多くの出生異常が生まれ、子どもたちが命を落とし、苦しんでいます。
HRNは今年ファルージャ地域を調査しましたが、深刻な出生異常を確認しています。
HRNは今回の書簡において、罪のないイラクの子どもの健康と命を守る行動を米英首脳に求めました。
米オバマ大統領宛書簡
http://hrn.or.jp/activity/Open%20letter%20to%20President%20Obama.pdf
英キャメロン首相宛書簡
http://hrn.or.jp/activity/Open%20letter%20to%20Prime%20Minister%20David%20Cameron.pdf
なお、HRNは今年2月、国連に対し、イラク戦争中のすべての人権侵害に関する独立調査を行うよう求めるステートメントも国連に送付しています。
http://hrn.or.jp/activity/G1311152.pdf
http://hrn.or.jp/activity/area/cat32/hrn-20/
UNウェブキャスト
(ビデオ映像・20番目:Human Rights Now, Ms. Kazuko Ito 00:45:08〜)
http://webtv.un.org/meetings-events/human-rights-council/watch/item:4-general-debate-contd-30th-meeting-22nd-regular-session-human-rights-council/2220338624001
(オバマ大統領宛書簡の和訳は以下のとおりです(脚注省略)。
ヒューマンライツ・ナウでは引き続きこの問題についての活動を進めてまいります。
国際人権NGOヒューマンライツ・ナウからオバマ大統領宛公開書簡
イラク戦争時及び戦後の人権侵害に対する裁きと説明責任を求めます。
2013年3月20日
親愛なるオバマ大統領殿
今年は2003年のイラク戦争から10年目を迎える年となります。
東京を中心に活動する国連特別協議資格を有する国際人権NGOであるヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、イラク戦争時及び戦後のすべての重大な人権侵害の調査、訴追、説明責任、すべての被害者への補償を実施することを要請するため、この書簡を送ります。
私たちは、オバマ大統領の第二期政権下では、イラク戦争とイラク占領に関する不正義や不処罰に終止符が打たれ、世界に平和と基本的人権が再びもたらされることを願っています。
イラク戦争時と占領下における重大な人権侵害について
2003年のイラク侵攻は、イラクが大量破壊兵器を所持しているという無根の事実からアメリカ合衆国と英国が率いる多国籍軍によって実施されました。
侵攻は国連安全保障理事会のなんらの権限もなく行われ、国際法の重大な違反にほかなりません。
2003年から始まった侵攻以降、アメリカ合衆国軍と英国軍が主導する連合軍/占領軍は、イラクの人々の生命と健康を守る義務に反し、彼らの生命と健康に壊滅的な結果を引き起こしました。
イラクでもたらされた惨禍は破壊的なものでした。
アメリカ、ジョンホプキンズ大学ブルームバーグ公共衛生大学院の研究では、2003年のイラク戦争の結果として約65万5千人のイラク人が死亡したと推定しています。
世界保健機関(WHO)はイラクで2003年3月から2006年6月15万1千人が暴力によって死亡したと推定しています。
ウィキリークスによって暴露されたペンタゴンの機密ファイルによれば、イラク戦争中の2004年から2009年の間に6万6千人の民間人が殺害されたと記録されています。
占領軍によるイラクにおける国際人権・人道法の重大な違反行為は様々な報告・報道によって詳細に報じられています。
たとえば2004年4月と11月のアメリカのファルージャ攻撃では、民間人への直接的攻撃、白リン弾の民間人への使用、市民の病院へのアクセスの拒否など米軍による戦争犯罪行為と疑われる行為が広く報告されています。
連合軍が、劣化ウラン弾、クラスター爆弾や白リン弾のような非人道的、無差別的な武器もしくは毒性兵器を民間人の居住地で市民に対する危害を最小限に抑える手段を一切講ずることなく使用していたことも報告されました。
これらの武器の使用により、多数の市民が犠牲となり、さらに戦争後も人々の健康に深刻な障害をもたらし続けています。
さらに、アメリカ軍がアブグレイブやその他の刑務所で、拷問・非人道的取り扱いに該当する身体的虐待や侮辱などの行為をイラク人拘留者に対して行ったことは多くの証拠に裏付けられています。
2 広がる不処罰
ところが、こうした人権侵害について、米国国内で未だに適切な調査がなされず、人権侵害の加害者に対する訴追・処罰がなされていません。
特に、指揮命令を下した最高指揮官レベルの責任は追及されていません。
その一方で、多くの被害者たちが補償を受けることなく、身体的被害に苦しんでいます。
私たちはオバマ大統領が、政権第一期において、こうした不処罰に真摯に対処し、重大な人権侵害の徹底した調査を開始すると期待してきました。
しかしながら、今日にいたるまで、私たちはこうした人権侵害行為に対する正義と説明責任を実現するための米国政府の具体的な行動について何ら耳にしません。
アメリカ政府の責任で引き起こされたと考えられる、国際法、国際人権・人道法の重大な侵害について真剣な検証がなされ、法の裁きを実現されない限り、世界がアメリカの人権外交政策に対して信頼感を持つことはありません。
貴国が過去の誤った行動に適切に対処しなければ、貴国が行う世界の人権に関する政策決定や行動は、道徳的な権威をもちえません。
アメリカが自らの不正義や不処罰に対して何ら行動を起こさないならば、それは、世界から重大な人権侵害をなくそうとする人々の闘いや努力を阻害する結果となります。
3 罪なき幼児への現在も続く苦しみ‐イラク各地における先天的障がいを負った乳幼児の出生現象
HRNはとりわけ武装紛争により生じた有毒物質により引き起こされている現在及び潜在的な健康・生命に対するリスクについて懸念しています。
2003年のイラク戦争により、大量の有害物質が環境汚染を引き起こし、それは特に子どもたちの生命と健康を危機にさらし続けています。
戦争後まもなく、イラク各地において先天的な障がいを負った乳幼児の出生がみられるようになりました。
イラクの医師たちは、様々なメディアを通じて、乳幼児に先天的な障がいの症例が多発していることについて、重大な懸念を国際社会に対して訴えてきました。
インディペンデント紙によると、「イラクの医者たちは、2005年以降、深刻な先天的障がいを負った乳幼児の数の著しい増加を訴えている。
先天性障がいは頭が先天的に二つの頭をもった赤ちゃんから、下肢の傷害を負った赤ちゃんまで多様な症例がある。
彼らは、ファルージャでのアメリカ軍と反乱軍の間の戦い後、がんの発症率が以前よりもはるかに高くなったとも話している」と述べています。
ファルージャ総合病院のサミラ・アラーン医師は、2003年以来ファルージャで生まれた15%の乳幼児に先天的障がいがあるという調査を報告しました。
同医師は、「出生性障がいをもった乳幼児が急激に増加し、ファルージャの人々の健康を損なう結果となっている。
生き残った子ども達に対する治療は限界に達している」とし、「これらの障がいは近代兵器に含まれている環境汚染物質の結果に起因する可能がある」と結論付けています。
今年に入り、HRNはファルージャで現地調査を行い、深刻な先天性異常を記録化しています。
こうした先天性障がいの原因の一つの可能性として考えられるのは、劣化ウラン(DU)弾です。
国連環境計画(UNEP)の情報公開要請にも関わらず、アメリカ政府が2003年のイラク戦争で使用された劣化ウラン弾の具体的な量や投下位置を情報公開しないため、使用料や投下位置は今も特定されていません。
2010年国連総会決議は、全ての劣化ウラン弾使用国が、影響をうけた国の申立てのあった場合は、劣化ウラン弾の量的及び位置的情報を公開するように要請しています。
イギリス防衛省(UK MOD)は1991年の湾岸戦争において1トン以下、2003年のイラク戦争においては約1.9トンの劣化ウラン弾が使用されたとしています。
2003年のイラク戦争において用いられた劣化ウラン弾の総量については、170から1700トンにも及ぶとの推測があるものの、依然として総量は不明のままです。
イラク保健省とWHOは増え続けるイラクにおける先天性障がい児の出生異常の調査を実施し、2013年の初頭に結果を公表する予定とされていますが、出生異常と劣化ウラン弾との関係については調査から除外されています。
これ以上の生命と健康被害を防止する為に、出生障がいの原因と発生状況の調査、原因の特定、実効的な保健政策立案と医療制度の構築、被害者に対する適切な賠償がなされることが緊急に求められています。
しかしながら、アメリカ・イギリス両政府が戦争時に使用した有害兵器に関して十分な情報の開示をしていない状況下では、子どもたちの健康の権利を保護するための実効的政策を確立することができません。
先天性異常の原因究明とその被害状況を調査し、実効的な公衆衛生の政策と医療措置を確立し、被害者に適切な賠償を行うことは緊急を要します。
国際人権・人道法上の原則および、国際環境法上の「汚染者負担」の原則に基づき、責任者を特定することが重要です。
ヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、アメリカ政府がこの不処罰に終止符を打ち、さらなる被害を防止するために十分な情報を提供することを要請します。
私たちは、あなたの政権が、戦争・占領下において米国が関わった国際人権・人道法違反に関し、国際基準に合致した、独立・公正な調査委員会を設置し、適切な調査を実施し、正義の実現、責任の所在の明確化、再発防止及び全ての被害者に対する十分な補償を実現することを要請します。
その調査過程においては、戦争犯罪や人権侵害について最も責任を負う人物を特定し、訴追するとともに、再発防止策が深く検討され、公開されるとともに、すべての被害者に公式な謝罪が行われるよう要請します。
イラクにおける深刻な出生異常に関連して、私たちはあなたの政権に対し、使用されたすべての有害武器の種類、武器を使用した全地域と全地点、有害物資の構成と正確な武器の使用数を調査し公に情報公開することを要請します。
もしアメリカが汚染者であると特定され、もしくは汚染に関わったと認められれば、アメリカ政府として、影響を受けたすべてのイラク人、特に子どもたちの健康・生命の権利を保護するため、補償、環境改善、十分な医療措置の提供を含めたあらゆる手段を講じるよう要請します。
この重要な問題について、最も高い優先順位で検討されるよう、ここに要請いたします。
以上
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特定非営利活動法人 ヒューマンライツ・ナウ
〒110-0005
東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル7F
電話:03-3835-2110 FAX:03-3834-1025
連絡先:info@hrn.or.jp ウェブサイト:http://hrn.or.jp/
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イラク戦争10年、国民の評価今もなお二分 米世論調査/AFP
【3月19日 AFP】米国が主導したイラク戦争から10年が過ぎた今もなお、米国民は戦争の評価をめぐって二分されている。米世論調査会社ギャラップ(Gallup)が18日、発表した。
2011年12月に米軍がイラクから撤退して以降初めてとなるギャラップによる調査で、米国人の53%がイラク戦争は間違っていたと回答し、42%は間違いではなかったと回答した。
2009年に実施された世論調査とほぼ変わらない結果で、共和党あるいはイラク戦争を始めたジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前米大統領の支持者の間では、イラク戦争に対する支持が強かった。
共和党を支持する、または、どちらかといえば支持すると返答した人のうち66%は、戦争を間違いではなかったと回答。一方、民主党支持者では、73%が間違いだったと回答した。
米国人のイラク戦争反対が最も高まったのは2008年4月で、イラク戦争が間違いだったと回答した人は63%に上っていた。
ギャラップの調査は7〜10日に1022人を対象に電話で行われた。誤差の範囲はプラスマイナス4%。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2934694/10458335?ctm_campaign=txt_topics
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国連憲章に違反して行われたイラク戦争の結果多大な人命が奪われ、人権が侵害されました。
米国・英国による国際人権・人道法に違反する人権侵害を示す証拠も報道、報告されていますが、未だにこの責任が明確に問われていません。
被害者は何の補償も受けることなく、被害を受け続けています。
HRNは、米オバマ大統領、英キャメロン首相宛戦争に伴う重大な人権侵害の検証と責任追及を求める公開書簡を送りました。
また、戦争の傷跡は罪もない子どもたちを苦しめ、戦争で使用された有害兵器の影響で多くの出生異常が生まれ、子どもたちが命を落とし、苦しんでいます。
HRNは今年ファルージャ地域を調査しましたが、深刻な出生異常を確認しています。
HRNは今回の書簡において、罪のないイラクの子どもの健康と命を守る行動を米英首脳に求めました。
米オバマ大統領宛書簡
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英キャメロン首相宛書簡
http://hrn.or.jp/activity/Open%20letter%20to%20Prime%20Minister%20David%20Cameron.pdf
なお、HRNは今年2月、国連に対し、イラク戦争中のすべての人権侵害に関する独立調査を行うよう求めるステートメントも国連に送付しています。
http://hrn.or.jp/activity/G1311152.pdf
http://hrn.or.jp/activity/area/cat32/hrn-20/
UNウェブキャスト
(ビデオ映像・20番目:Human Rights Now, Ms. Kazuko Ito 00:45:08〜)
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(オバマ大統領宛書簡の和訳は以下のとおりです(脚注省略)。
ヒューマンライツ・ナウでは引き続きこの問題についての活動を進めてまいります。
国際人権NGOヒューマンライツ・ナウからオバマ大統領宛公開書簡
イラク戦争時及び戦後の人権侵害に対する裁きと説明責任を求めます。
2013年3月20日
親愛なるオバマ大統領殿
今年は2003年のイラク戦争から10年目を迎える年となります。
東京を中心に活動する国連特別協議資格を有する国際人権NGOであるヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、イラク戦争時及び戦後のすべての重大な人権侵害の調査、訴追、説明責任、すべての被害者への補償を実施することを要請するため、この書簡を送ります。
私たちは、オバマ大統領の第二期政権下では、イラク戦争とイラク占領に関する不正義や不処罰に終止符が打たれ、世界に平和と基本的人権が再びもたらされることを願っています。
イラク戦争時と占領下における重大な人権侵害について
2003年のイラク侵攻は、イラクが大量破壊兵器を所持しているという無根の事実からアメリカ合衆国と英国が率いる多国籍軍によって実施されました。
侵攻は国連安全保障理事会のなんらの権限もなく行われ、国際法の重大な違反にほかなりません。
2003年から始まった侵攻以降、アメリカ合衆国軍と英国軍が主導する連合軍/占領軍は、イラクの人々の生命と健康を守る義務に反し、彼らの生命と健康に壊滅的な結果を引き起こしました。
イラクでもたらされた惨禍は破壊的なものでした。
アメリカ、ジョンホプキンズ大学ブルームバーグ公共衛生大学院の研究では、2003年のイラク戦争の結果として約65万5千人のイラク人が死亡したと推定しています。
世界保健機関(WHO)はイラクで2003年3月から2006年6月15万1千人が暴力によって死亡したと推定しています。
ウィキリークスによって暴露されたペンタゴンの機密ファイルによれば、イラク戦争中の2004年から2009年の間に6万6千人の民間人が殺害されたと記録されています。
占領軍によるイラクにおける国際人権・人道法の重大な違反行為は様々な報告・報道によって詳細に報じられています。
たとえば2004年4月と11月のアメリカのファルージャ攻撃では、民間人への直接的攻撃、白リン弾の民間人への使用、市民の病院へのアクセスの拒否など米軍による戦争犯罪行為と疑われる行為が広く報告されています。
連合軍が、劣化ウラン弾、クラスター爆弾や白リン弾のような非人道的、無差別的な武器もしくは毒性兵器を民間人の居住地で市民に対する危害を最小限に抑える手段を一切講ずることなく使用していたことも報告されました。
これらの武器の使用により、多数の市民が犠牲となり、さらに戦争後も人々の健康に深刻な障害をもたらし続けています。
さらに、アメリカ軍がアブグレイブやその他の刑務所で、拷問・非人道的取り扱いに該当する身体的虐待や侮辱などの行為をイラク人拘留者に対して行ったことは多くの証拠に裏付けられています。
2 広がる不処罰
ところが、こうした人権侵害について、米国国内で未だに適切な調査がなされず、人権侵害の加害者に対する訴追・処罰がなされていません。
特に、指揮命令を下した最高指揮官レベルの責任は追及されていません。
その一方で、多くの被害者たちが補償を受けることなく、身体的被害に苦しんでいます。
私たちはオバマ大統領が、政権第一期において、こうした不処罰に真摯に対処し、重大な人権侵害の徹底した調査を開始すると期待してきました。
しかしながら、今日にいたるまで、私たちはこうした人権侵害行為に対する正義と説明責任を実現するための米国政府の具体的な行動について何ら耳にしません。
アメリカ政府の責任で引き起こされたと考えられる、国際法、国際人権・人道法の重大な侵害について真剣な検証がなされ、法の裁きを実現されない限り、世界がアメリカの人権外交政策に対して信頼感を持つことはありません。
貴国が過去の誤った行動に適切に対処しなければ、貴国が行う世界の人権に関する政策決定や行動は、道徳的な権威をもちえません。
アメリカが自らの不正義や不処罰に対して何ら行動を起こさないならば、それは、世界から重大な人権侵害をなくそうとする人々の闘いや努力を阻害する結果となります。
3 罪なき幼児への現在も続く苦しみ‐イラク各地における先天的障がいを負った乳幼児の出生現象
HRNはとりわけ武装紛争により生じた有毒物質により引き起こされている現在及び潜在的な健康・生命に対するリスクについて懸念しています。
2003年のイラク戦争により、大量の有害物質が環境汚染を引き起こし、それは特に子どもたちの生命と健康を危機にさらし続けています。
戦争後まもなく、イラク各地において先天的な障がいを負った乳幼児の出生がみられるようになりました。
イラクの医師たちは、様々なメディアを通じて、乳幼児に先天的な障がいの症例が多発していることについて、重大な懸念を国際社会に対して訴えてきました。
インディペンデント紙によると、「イラクの医者たちは、2005年以降、深刻な先天的障がいを負った乳幼児の数の著しい増加を訴えている。
先天性障がいは頭が先天的に二つの頭をもった赤ちゃんから、下肢の傷害を負った赤ちゃんまで多様な症例がある。
彼らは、ファルージャでのアメリカ軍と反乱軍の間の戦い後、がんの発症率が以前よりもはるかに高くなったとも話している」と述べています。
ファルージャ総合病院のサミラ・アラーン医師は、2003年以来ファルージャで生まれた15%の乳幼児に先天的障がいがあるという調査を報告しました。
同医師は、「出生性障がいをもった乳幼児が急激に増加し、ファルージャの人々の健康を損なう結果となっている。
生き残った子ども達に対する治療は限界に達している」とし、「これらの障がいは近代兵器に含まれている環境汚染物質の結果に起因する可能がある」と結論付けています。
今年に入り、HRNはファルージャで現地調査を行い、深刻な先天性異常を記録化しています。
こうした先天性障がいの原因の一つの可能性として考えられるのは、劣化ウラン(DU)弾です。
国連環境計画(UNEP)の情報公開要請にも関わらず、アメリカ政府が2003年のイラク戦争で使用された劣化ウラン弾の具体的な量や投下位置を情報公開しないため、使用料や投下位置は今も特定されていません。
2010年国連総会決議は、全ての劣化ウラン弾使用国が、影響をうけた国の申立てのあった場合は、劣化ウラン弾の量的及び位置的情報を公開するように要請しています。
イギリス防衛省(UK MOD)は1991年の湾岸戦争において1トン以下、2003年のイラク戦争においては約1.9トンの劣化ウラン弾が使用されたとしています。
2003年のイラク戦争において用いられた劣化ウラン弾の総量については、170から1700トンにも及ぶとの推測があるものの、依然として総量は不明のままです。
イラク保健省とWHOは増え続けるイラクにおける先天性障がい児の出生異常の調査を実施し、2013年の初頭に結果を公表する予定とされていますが、出生異常と劣化ウラン弾との関係については調査から除外されています。
これ以上の生命と健康被害を防止する為に、出生障がいの原因と発生状況の調査、原因の特定、実効的な保健政策立案と医療制度の構築、被害者に対する適切な賠償がなされることが緊急に求められています。
しかしながら、アメリカ・イギリス両政府が戦争時に使用した有害兵器に関して十分な情報の開示をしていない状況下では、子どもたちの健康の権利を保護するための実効的政策を確立することができません。
先天性異常の原因究明とその被害状況を調査し、実効的な公衆衛生の政策と医療措置を確立し、被害者に適切な賠償を行うことは緊急を要します。
国際人権・人道法上の原則および、国際環境法上の「汚染者負担」の原則に基づき、責任者を特定することが重要です。
ヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、アメリカ政府がこの不処罰に終止符を打ち、さらなる被害を防止するために十分な情報を提供することを要請します。
私たちは、あなたの政権が、戦争・占領下において米国が関わった国際人権・人道法違反に関し、国際基準に合致した、独立・公正な調査委員会を設置し、適切な調査を実施し、正義の実現、責任の所在の明確化、再発防止及び全ての被害者に対する十分な補償を実現することを要請します。
その調査過程においては、戦争犯罪や人権侵害について最も責任を負う人物を特定し、訴追するとともに、再発防止策が深く検討され、公開されるとともに、すべての被害者に公式な謝罪が行われるよう要請します。
イラクにおける深刻な出生異常に関連して、私たちはあなたの政権に対し、使用されたすべての有害武器の種類、武器を使用した全地域と全地点、有害物資の構成と正確な武器の使用数を調査し公に情報公開することを要請します。
もしアメリカが汚染者であると特定され、もしくは汚染に関わったと認められれば、アメリカ政府として、影響を受けたすべてのイラク人、特に子どもたちの健康・生命の権利を保護するため、補償、環境改善、十分な医療措置の提供を含めたあらゆる手段を講じるよう要請します。
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クレジットカードで年会費送金ができます。
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連絡先:info@hrn.or.jp ウェブサイト:http://hrn.or.jp/
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イラク戦争10年、国民の評価今もなお二分 米世論調査/AFP
【3月19日 AFP】米国が主導したイラク戦争から10年が過ぎた今もなお、米国民は戦争の評価をめぐって二分されている。米世論調査会社ギャラップ(Gallup)が18日、発表した。
2011年12月に米軍がイラクから撤退して以降初めてとなるギャラップによる調査で、米国人の53%がイラク戦争は間違っていたと回答し、42%は間違いではなかったと回答した。
2009年に実施された世論調査とほぼ変わらない結果で、共和党あるいはイラク戦争を始めたジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前米大統領の支持者の間では、イラク戦争に対する支持が強かった。
共和党を支持する、または、どちらかといえば支持すると返答した人のうち66%は、戦争を間違いではなかったと回答。一方、民主党支持者では、73%が間違いだったと回答した。
米国人のイラク戦争反対が最も高まったのは2008年4月で、イラク戦争が間違いだったと回答した人は63%に上っていた。
ギャラップの調査は7〜10日に1022人を対象に電話で行われた。誤差の範囲はプラスマイナス4%。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2934694/10458335?ctm_campaign=txt_topics
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