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Channel: 薔薇、または陽だまりの猫
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米・サンダンス映画祭で初公開のドキュメンタリー「アメリカ原子力合衆国」

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浅井健治@週刊MDS編集部です。
 米ユタ州パークシティで開催中のサンダンス映画祭(米国最大のインディペンデントシネマ映画祭)で、ニューヨーク州ロングアイランドのシャーリーという小さな町のガン異常発生をはじめとして米国の原子力施設周辺で起きている深刻な健康被害を追ったドキュメンタリー映画『The Atomic States of America(アメリカ原子力合衆国)』が初公開されています。
 シャーリーの町の北にブルックヘブン国立研究所という政府施設があり、そこの3基の原子炉からの低線量の放射能漏れが原因で22人の子どもが「横紋筋肉腫」ガンを発病したそうです。このガンはふつう400万人に1人しかかからない珍しい病気。ところが、シャーリーでは1つの街区に2人の割合で発生したといいます。住んでいる世帯のすべてにガンその他の病人がいるという通り(「死刑囚監房」とあだ名が付いているらしい)も登場。鎌仲ひとみ監督の『ヒバクシャ』に出てくるワシントン州ハンフォードの「死の1マイル」と同じです。
 映画はこれを導入部に、オバマ大統領が2010年一般教書演説でぶち上げた「原子力ルネッサンス」宣言や米国で32年ぶりの新規原発建設の動き、ニューヨーク州やバーモント州の原発閉鎖をめぐる自治体・住民と原発推進勢力との対立などを織り込んでいきます。制作のさなかに起きたフクシマ事故にも言及されているようです。

 独立メディア「デモクラシー・ナウ!」が、制作者のシーナ・ジョイスと映画の原案となった『ようこそシャーリーへ:原子力の町の思い出』の著者ケリー・マクマスターズにインタビューしています。
http://www.democracynow.org/2012/1/24/the_atomic_states_of_america_exploring

日本での公開が待たれます。


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