日本IBMクビ斬り事件 「ミーティングしない?」と騙し討ちで即解雇宣告されるロックアウト型リストラ続出
佐々木奎一 17:47 12/26 2012
http://www.mynewsjapan.com/reports/1745
日本IBMで上司から「5時からミーティングしない?」などと軽く言われたら、要注意だ。会議室に入った途端、何の前触れも感じさせないまま、突然、「一週間後に解雇する」と宣告され、ロックアウトにあう事件が多発している。実際にこの手口でクビを斬られた社員のうち3人が会社を相手取り、地位確認と、毎月の給与と賞与(提訴時で総額約1942万円)を求める訴訟を、12年10月、東京地裁に提起した。原告たちは「この解雇を世間に知らしめて食い止めないと、会社のやりたい放題の社会になってしまう」と訴える。原告2人への取材に基づき、クビ斬り事件を詳報する。
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【Digest】
◇「ミーティングするから、ちょっと会議室来て」
◇「帰って下さい」
◇「5時からミーティングしない?」
◇「誰かが世間に知らしめなければ」
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◇「ミーティングするから、ちょっと会議室来て」
原告A氏(40代)は都内の私大を卒業後、日本IBMに入社し、営業の後方支援などに従事してきた。これまで部署内にある各チームのリーダーの総意による「月間MVP」を受賞したり、コミュニケーションやプレゼンテーションのスキルに関する研修で、MVP賞を受賞したり、所属部署のグループリーダーから、感謝状と盾を受賞したこともあった。A氏は全日本金属情報機器労働組合(JMIU)日本IBM支部の組合員でもあった。
そのA氏が12年7月20日(金)、突然、異様な事態に直面した。
この日の夕方5時頃、「ミーティングするから、ちょっと会議室に来て」と、上司のO氏と、人事P氏に呼ばれたのだ。
部屋に入ると、O氏とP氏は、「これから読み上げるから聞いて」と言い、文面を手に持ちながら、「会社は、貴殿を2012年7月26日付で解雇します」と読み上げたのだ。
7月26日(木)ということは、わずか6日後である。
さらに上司たちは、解雇予告手当として一か月分の給与を7月26日までに振り込んで支払います、と述べた後、「貴殿は、業績が低い状態が続いており、その間、会社は職掌や担当範囲の変更を試みたにもかかわらず業績の改善がなされず、会社は、もはやこの状態を放っておくことができない、と判断しました。以上が貴殿を解雇する理由となります」と言う。
何の前触れもなく、突然、解雇宣告されたA氏は、しばし呆然とした。すると、上司たちは、読み上げた文書を封筒に入れ、A氏に手渡そうとした。A氏は、あきれながらも、「とても受けられません」と突き返し、「組合の人たちと相談するので、失礼します」と言い、部屋を出た。ものの5分程度のことだったという。
すると、上司が後ろからついてきて、「午後5時36分になったら、会社から出て行って下さい」と言い放った。5時36分は、日本IBMの終業時間である。
その後、A氏は組合に電話をして、事の経緯を伝えたところ、「今日はおとなしく退社して、来週以降、組合活動をやっていこう」といわれた。
A氏は呆然としたまま、退社した。
◇「帰って下さい」
翌週23日(月)の朝、A氏は同労組の大岡義久委員長に付き添ってもらいながら、出社した。「解雇を受け入れているわけではない。仕事をするつもりである、という意志を表し、上司に説明を求めるため、出社しました」(A氏)
だが、オフィスに入ろうとすると、磁気カードの社員証がすでに使えず、中に入れない状態だった。
そこで、受付で、上司を呼び出して説明を求めようとした。しかし、受付は「しばらくお持ちください」と言ったあと、「受付でお取次しないように、私たちも言われていますので…
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日本IBMで上司から「5時からミーティングしない?」などと軽く言われたら、要注意だ。会議室に入った途端、何の前触れも感じさせないまま、突然、「一週間後に解雇する」と宣告され、ロックアウトにあう事件が多発している。実際にこの手口でクビを斬られた社員のうち3人が会社を相手取り、地位確認と、毎月の給与と賞与(提訴時で総額約1942万円)を求める訴訟を、12年10月、東京地裁に提起した。原告たちは「この解雇を世間に知らしめて食い止めないと、会社のやりたい放題の社会になってしまう」と訴える。原告2人への取材に基づき、クビ斬り事件を詳報する。
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【Digest】
◇「ミーティングするから、ちょっと会議室来て」
◇「帰って下さい」
◇「5時からミーティングしない?」
◇「誰かが世間に知らしめなければ」
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◇「ミーティングするから、ちょっと会議室来て」
原告A氏(40代)は都内の私大を卒業後、日本IBMに入社し、営業の後方支援などに従事してきた。これまで部署内にある各チームのリーダーの総意による「月間MVP」を受賞したり、コミュニケーションやプレゼンテーションのスキルに関する研修で、MVP賞を受賞したり、所属部署のグループリーダーから、感謝状と盾を受賞したこともあった。A氏は全日本金属情報機器労働組合(JMIU)日本IBM支部の組合員でもあった。
そのA氏が12年7月20日(金)、突然、異様な事態に直面した。
この日の夕方5時頃、「ミーティングするから、ちょっと会議室に来て」と、上司のO氏と、人事P氏に呼ばれたのだ。
部屋に入ると、O氏とP氏は、「これから読み上げるから聞いて」と言い、文面を手に持ちながら、「会社は、貴殿を2012年7月26日付で解雇します」と読み上げたのだ。
7月26日(木)ということは、わずか6日後である。
さらに上司たちは、解雇予告手当として一か月分の給与を7月26日までに振り込んで支払います、と述べた後、「貴殿は、業績が低い状態が続いており、その間、会社は職掌や担当範囲の変更を試みたにもかかわらず業績の改善がなされず、会社は、もはやこの状態を放っておくことができない、と判断しました。以上が貴殿を解雇する理由となります」と言う。
何の前触れもなく、突然、解雇宣告されたA氏は、しばし呆然とした。すると、上司たちは、読み上げた文書を封筒に入れ、A氏に手渡そうとした。A氏は、あきれながらも、「とても受けられません」と突き返し、「組合の人たちと相談するので、失礼します」と言い、部屋を出た。ものの5分程度のことだったという。
すると、上司が後ろからついてきて、「午後5時36分になったら、会社から出て行って下さい」と言い放った。5時36分は、日本IBMの終業時間である。
その後、A氏は組合に電話をして、事の経緯を伝えたところ、「今日はおとなしく退社して、来週以降、組合活動をやっていこう」といわれた。
A氏は呆然としたまま、退社した。
◇「帰って下さい」
翌週23日(月)の朝、A氏は同労組の大岡義久委員長に付き添ってもらいながら、出社した。「解雇を受け入れているわけではない。仕事をするつもりである、という意志を表し、上司に説明を求めるため、出社しました」(A氏)
だが、オフィスに入ろうとすると、磁気カードの社員証がすでに使えず、中に入れない状態だった。
そこで、受付で、上司を呼び出して説明を求めようとした。しかし、受付は「しばらくお持ちください」と言ったあと、「受付でお取次しないように、私たちも言われていますので…
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